黙る猫

昨年のとある 花が溢れる日

そうとは知らずにいつもの様に扉を開け鉛の箱へ訪れた
 
実はさ・・・と耳打ちされ 違う場所で待機している彼女の新しい生を おお と喜ぶ
知ってたら何か用意したのに と 返したら うん まあねとカウンターの中の人が嬉しそうに笑っていた
後で行くよ と 私達も笑う



暫く『友人達』と『夜』と『音楽』を楽しむ



繊細な人と肩を寄せ合って踊る
繊細な人は夫とも踊る
生真面目な夫に優しく笑う
その間私は『線』という場所をひととき眺めて息を抜いている

繊細な人が綺麗な眼で私をじっと覗き込んできて『線』は消える 
よし と 彼が言った

瞬間 j1を思い出し 嗚呼そうか と 
郷愁はこれだった



この人の纏いはj1に似ている

もし 目の前に居るのがj1だったら 私の言葉を受け入れて無言で手を取り また音楽の中に連れていってくれるんだろう と ぼんやり思っていたら 繊細な人が私の肩を引き寄せてくれ 音楽の中にまた一緒に飛び込んだ



この人は哀しい事を知っているのだ
それが何かは知らないけれど
つくづくそういうことだ



そう思えると 私は反射的に彼の奥さんが他の友人と談笑している所の優雅な手をとり 彼のもとへ パートナーチェンジを促した

彼女は笑顔で私の頬に口づけし彼の胸の中に体を自然に預けた
彼女の友人達がどっと私に押し寄せ手をとって音楽を楽しんだ

少し不思議な安心が戻ってきた頃 j1独特の表情が生々しく蘇って それを思い出させてくれたひとときに感謝と謝罪をおぼえた



j1の今頃を想像する
j2の今頃を想像する

rの今頃を想像する



此処で泣いたとしても誰も気付かない
安全だと思ったが 振り返る



夫が生真面目な顔でじっと私が席に戻って来るのを待っている



席に戻り 煙草をくわえたら もう一人の繊細な人が火を点けてくれた



「どうも」
「うん」



私は夫に向き直った



「どうしても嫌だ やっぱり」
「うん」
「随分考えた今の結果 先の事は分からん」
「anityaちゃんが居てくれたらいいよ」
「子供の頃から子供が嫌いだよ」
「ふうん」
「分かる必要が無いからね」
「?」
「自分の頭の蝿もおえない奴が他人の節介やくのはお門違いで傲慢なのが身にしみたんだ」
「よく分からないな・・・」
「そう思う」
「兎に角・・・それでいいよ」
「信じないよ 色々」
「うん」
「兎に角 信じない事を信じてるからね」
「何だか綺麗だね」
「珍しい真理を言うね 綺麗じゃなきゃ意味がないからね」
「へえ・・・」
「xが言ってた たまーに」
「彼は凄いから」
「頭がおかしいんだよ だから私と仕事が出来た」
「うーん・・・」
「あんたはその世界に来るんじゃないよ 出来ないから 私もあんたの世界は行かない」
「まあ それは」
「なんだかんだ言っても一番偉いのはね」
「うん」
「猫」
「あ 缶詰買って帰ろう」










l.pのドラマー兼ミキサーの男性と二曲セッションした
彼だけが 私のフェイクについて来てくれた

日本で8ビートを完璧に正確に叩けるドラマーは四人しか居ない事を伝えると 誰かと知りたがった
それを認識している本人は名を出さなかったから分からないと答えたが 本当は聞いてしまったから知識として知っている
にも関わらず 彼は8ビートについて色々話してくれた



考えてみる
必要であるべきものは何もかも すぐ側にある事を










繊細な人が 赤い顔で 俺もう帰るねー と 言い出したので ではまたと握手
しかし奥さんが 先に帰ってよ!と 彼に投げ遣り口調で言う
仕事仲間と呑んでいて気に障った事でもあったらしい



彼女が彼を選んだ様に 
そのギアは貴女のもの



夫はそんな中 繊細な人からあるものをもらう予定だと耳打ちするが そのジャンルには興味無し
でも彼のポジションに敬意をはらいなさいよ 本当に払いなさいよ と釘をさす
夫は 勿論 と頷く



私達も 鉛の箱から帰る支度をする






場所を変えて 花の彼女のもとへ

彼女と 赤と黒について話す
シャンパンの泡の数を疲れない程度に数える

鉛の箱のメンバーがなだれ込んで来て オフの顔になって 放送禁止用語を使って遊ぶ
寝てないy氏が帽子の話をする

彼が東京でのrなんだろうか?と思う
rとは違うが 根っこが似ているのが感じられる
そして 違うと はっきり解る





rの店でのある人の言葉を思い出す

「自分の行くべき場所に行った方がいいよ」

rのその時の表情を思い出す






昔 某所でひっくり返った時 rはゆっくり側に来て手を貸さなかった
そして静かに屈んで言った

「anitya 自分で起きろ」

私が起き上がる迄 絶対側を離れなかった






y氏は恐らく 私のその状況に つい手を貸してくれるだろう 
見かねて貸してしまう
もしくはそんな状況の中には居ない



色んな人がいる
色んな人に出会う



繋がっては離れ 離れては繋がり










codaは誰に何を教わることもなく 秘密ばかりを見抜いて 
しなやかに しなやかに 生きている
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# by anitya_ocean | 2008-07-04 13:47 | Comments(0)

止まない雨

と 言うより
降らない雨は無いな 

あちらこちらの そのまた向こう



砂漠が想う憂鬱の雨を陽が飲み干し 雲が我が身の放浪に一服する
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# by anitya_ocean | 2008-06-29 14:58 | Comments(0)

帰り際 凝視の季節

六月が終わる?

いつの時代も終わってたよ

七月が始まる?

いつの時代も始まってたよ







だから そういうことを見て聞いて感じて また書く丈
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# by anitya_ocean | 2008-06-28 14:46 | Comments(4)