以前 三年間続けたブログの記事に懐かしいものがあったのでupします
ほとんど保存していないので何を日々綴ったのかはあんまり憶えていません r もし君がこの記事をこのブログの存在を知っていたら 私の新しい携帯の方に連絡して下さい って 妙な出だしだけど 元気でいることを祈っています 昨年末 rにメールを出した 何日経ってもレスが無いので 多忙なんだナ と それでも寂しい思いを抱えていたら ある日の昼下がりメールの着信音がなった 家族からかなと思って開いたらrだった 普段は一〜二行しか言葉を綴らない彼なのだがその日は何行にも及んでいた 最初の出だしが胸を貫いた 『新年そうそう誤って漂白剤を飲んでしまった 死ぬかと思った』 大事な友人からこういう報告を知らされた時 持っている携帯をショックで床に落とすのかなと思ったけれど 私は恐ろしい怪力で機械を壊さんばかりに握りしめて画面から目を離せなかった 最後の下りは 『anityaはどんな一年になるかなー? 今年も面白可笑しい年になりますように』 と 括られてあった 今すぐrの店にとんで行きたい衝動に駆られたが物理的に無理だ 私は彼の就寝時間の終了を待って電話してみようとずっと煙草を吸ったり猫の寝顔を眺めていた もし入院でもしていたら・・・ このメールが誰かが代理で打ったものだとしたら・・・ 部屋の掃除をした 絵筆で綺麗な色を作りボードを埋めていった 音楽は一切かけなかった ひたすら画に集中していると電話が鳴った 夫かな と思って開いたらrの名前が表示されていた もしもし を 言わず聞かず 開口一番私は 「あけましておめでとうございます!!」 と 大きな声で言った 次に出て来るのがrの声でありますように 他の誰かではありませんように 「おお」 rの声だった 外の音が聞こえる 寒さに対する息づかい 歩行している足音と車がその横を走り去る気配 私はそこで初めて自分の体が震えているのが分かったし 気付いたら床にへたりと座り込んでいた 「大丈夫か」 「うん 死ぬかと思った」 「何でそんなの飲んだの」 「漂白中の茶碗に酒注いで飲んじゃった 一口で吐き出したけどね 指突っ込んで更にまた無理矢理吐いた」 「胃洗浄した?」 「いいや まあ一口だったし」 「牛乳 解毒作用あるから」 「へえ」 「もうもうもうもう」 「俺 あの味一生忘れない」 「一生すんじゃないよ 何でよ 事故?」 「どうして俺が自殺願望持たなきゃならないの 事故だよ」 「酔っぱらって うっかり?」 「まあ そんな感じ」 「・・・・・」 「今 出勤してるトコ」 「大丈夫?」 「今日は客が多そうだから早めに行って仕込みしなきゃで」 「そっか」 「ソッチ 元気ー?」 「ん?んー まあ」 「うー さみー・・・」 「皆 元気?」 「ん?知らない」 「知らないって?」 「会ってねぇもん」 「・・・あ そう・・・」 「・・・・・」 「絶対もう飲まないよね」 「漂白剤?飲まないよ」 「事故だよね」 「事故だっつってるじゃん」 「分かった」 「あ メールありがとな」 「うん 電話ありがと 吃驚した」 「ん?」 「rが電話してくるのって滅多に無いし 『事故』にもたまげたし だ」 「はは」 「体 気を付けて」 「おお anityaもなァ」 「そっち寒いみたいだね」 「さみーっつったじゃん」 「うん」 「んじゃなー また連絡ちょうだい」 「うん 体 気を付けて」 「うん」 「うん」 電話を切って猫の寝顔を暫く眺めた 説明があざとくなるから止しておくが 何やら色んな思いが指先をこめかみに運び それが去ってゆくまで暫く無言で泣いた
by anitya_ocean
| 2009-04-08 18:10
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